貴女の深夜にとびきりお洒落な演出を/わたしは「キャンパスナイトフジ」に見入った!
いやなものを見ちまった…
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あのですね、
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フジテレビでやってる「キャンパスナイトフジ」っていう、あんまり面白くない、金曜深夜の番組があるでしょう?
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知ってるひとは知ってると思いますが、これは、80年代に放送していた「オールナイトフジ」っていう長時間番組の、なんというか、「追憶版」です。
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「オールナイトフジ」って番組も、面白くないことについては、「キャンパスナイトフジ」といい勝負だった…というか、
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むしろこの「追憶版」に比べて、圧倒的につまらなかった。
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それでも、当時の十代は、かなり熱心に「オールナイトフジ」を見てました。あ、いや、
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「熱心」というのは当たらないな…
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見ていてもつまらない番組なので、「ただ、つけてた」と言うほうが正確です。
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なぜ、つまらない番組をつけていたのか、と言うと、
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説明するのが、ひどく難しいんですが、放送を通じて、
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「本当のことを伝えよう」
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とする意識が、作り手のなかにあったように思います。
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出演している女子大生たちも、「キャンパスナイトフジ」のように、ヘンにテレビ慣れしてない、
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だから、ぎこちないわけですが、彼女たちを通して、僕らは、
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昼間のテレビが伝えない、「わけのわからないナマもの」が、「時間のなかを漂っている」気がして、
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だから、よく、つけてました。
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深夜番組ですから、誰でもお分かりの通り、「えっちな時間帯」というのも設けてありまして、
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例えば、新作アダルトビデオの紹介を、女子大生がたどたどしく喋る、なんてコーナーがありました。
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ただ喋るだけでなく、ビデオの内容、つまり、あへあへ言ってる女のコの「イキそうな顔」が、テレビに映しだされたりするわけです。
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もちろん、いちばん危なっかしい場面は除いて、「あぁっ…あぁっ…」てもだえてる場面が、ダイジェストで紹介されるだけですけどね。
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で、それをモニターで見ている司会の片岡鶴太郎さんや、とんねるずの「チョッとゆるんだ顔」が、アップで抜かれたりして、女子大生たちが、「やだー」なぁんて言う様が放送される、という…
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それだけですよ。
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ただ、それだけのことで、スタジオには、妙な緊張感が走り、それが画面のこちら側で視聴している僕らにも、なんとなしに伝わって、ついつい、視ちゃう、ということがありました。
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いまにして思えば、ある意味、不思議な話しですが、この放送の、このコーナーには、「性」というものの、いちばんプリミティブな、基礎的な「空気感」が表されておりました。
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そのことに気付かされたのは、なんと、たった今です!
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いま、マイケル・ジャクソンの特集番組をNHKで見終わって、チャンネルをフジに換えたら…
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やってたんです。
「キャンパスナイトフジ」
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天気予報のコーナーが終わるところでありました。
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ただの天気予報じゃない。
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こちらも、あの「オールナイトフジ」と同じく深夜番組ですから、それなりのアダルトな工夫が仕掛けてある。
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いつも、つまらないから最後まできちんと視たことがないので、この天気予報を視たのは、いまが初めて。
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いやぁ、
「眼がテン」とは、このことです!
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アダルトな工夫っていうのはですね、要するに…
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胸元を強調したタンクトップの女のコが、
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バランスボールに乗って「天気予報」をやる、というコーナーだったわけなんです。
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バランスボールに腹這いになって。
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自然と胸が強調されるでしょ?
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カメラはそこを覗きこむように撮るわけです。
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で、
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そのコーナーの最後にね、
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そのコがバランスボールに乗ったまま、上半身を床に付けて、なかば逆立ちの格好で、
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「大股びらき」になる、と
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ほんでもって、
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開いた股越しに、後ろに置かれた花火が勢いよく、ぱーっと、きらきらと翔ぶ、という…、
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つまり、その状態を正面からカメラで撮ると、股関節を中心に、ボール越しの開いた脚だけ映ってて、ちょうど股間の真ん中から花火が勢いよく「噴射」してる、と見えるんですね。
(この説明で、伝わります?)
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なんということをするんだ…
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と、僕は、アンタンとした気分に襲われたのでした。
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これは、セックスというものの「コード化」ではないか…
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こんなにも肉体そのものから遠く離れた表現に、なんの価値があると思っているのか?
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当たり前のハナシですが、この表現は、えっちでもなんでもありません。まったく、そそらない、と思います。
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もちろん、なにひとつ「本当のこと」も、映ってないと思います。
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こほんな腑抜けにされた、身体性のない「おしゃれ」なだけの表現に行き着くほど、テレビというのは無味乾燥になってしまったのかよ!…
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「キャンパスナイトフジ」を作っているのは、おそらく「オールナイトフジ」を視ていたような人たちじゃないか(いや、もっと若いかな)。
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いずれにせよ、「オールナイトフジ」から30年…
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なんで、こんな風になっちゃったのか…
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テレビの中では、もはや洗練された話芸や、極めて垢を抜かれた性表現しか、通用しなくなっているのか?
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これじゃぁ、インターネットに視聴時間を奪われるのも、仕方ないなー、と。
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(あとで、何かの話しにつながるかもしれません。
取り急ぎ、ここにメモしておこう)
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Jack
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