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突貫女参上!!/「ベガスの恋に勝つルール」

どこの国でも、お客さんは、正直というか、「誠実」ですね。

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この映画、批評家には叩かれたそうですけど、ハテ? どこがいけないんだろう? すげぇ面白ぇじゃねーか!

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結局、本国米国では7千万ドルくらいのヒットになった。

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やー、お客さんは、見るべきところを見てますね。

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「面白い映画を作ればウケる」っていうのは、ほんっと、羨ましい風土です。

(あ、そうでもないのか。古い話しですけど、1957年公開の「12人の怒れる男」なんて今でこそ、屈指の傑作ってことになってますけど、初公開時は、たしか不入りで、1週間くらいで、上映打ち切りンなってます。そういうことも考え併せると、「お客って、分かんないもんだ」ってことになるのかな…うーむ)

ま、それはともかく。

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「ベガスの恋に勝つルール」

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個人的には、これ、「メリーに首ったけ」や「チャーリーズ・エンジェル」、「イン・ハー・シューズ」なんかと並んで、キャメロン・ディアス・ベスト5に入れたいです。

そのくらい、いい。

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ジャック(アシュトン・カッチャー)とジョイ(キャメロン・ディアス)は、互いにまったくの見知らぬ同士。

ジャックは父親の経営する木材加工業の会社を、「いい加減な仕事をする」という理由で解雇されたばかり。
生活全般、だらしない男。父に親子の縁まで、切られてしまう。

ジョイは、何事も完璧主義のキャリアウーマン(そうは見えないところが、ご愛嬌です)。
恋人から、「一緒にいると息が詰まる」、と言われて、捨てられました。

この二人が憂さ晴らしに向かった先が、ラスベガス。

出会って、
意気投合して、
一晩飲み明かした挙げ句、
起きたらとんでもないことになっていた!

結婚していたのです!

すべてに渡って性格正反対の、この二人。

当然すぐさま、離婚しようといたしますが、別れ際、ジョイの渡した1枚のコインが、運を変える。

ジャックが何気なくスロットマシンにコインを入れると、なんと3百万ドルの大当たり!

この大金は、どっちのものだ?

あたしのコインよ!

入れたのは僕だ!

二人は裁判所に提訴しますが、判事はなんと、思わぬ判決を…

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キャメロン・ディアスは、無論のこと、いいんですけど、それにしても、あれですね、

この半世紀くらいで、「女性の描き方」が、いかに変わったか、っていうことです。

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ビリー・ワイルダーのお師匠さんにあたるエルンスト・ルビッチの「ニノチカ」、っていうこれも傑作ロマンティック・コメディを見たことがありますが(グレタ・ガルボ主演:39年)、いやぁ、なんというか、「オっトナの映画だなぁ」って感じでしたよ。

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「ニノチカ」思い出しつつ、「ベガス…」を見ると、セックスや排泄の話しはふんだんに出てくるし、「汗臭い」って言うんですか、人間の描き方が泥臭いし、生々しい(いや、面白いんですよ、ケナしてるんじゃないですから、念のため)。

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あのー、昔は、昔の人は、「よく分かってた」と言いますか、「キスして、その次がえっちだってことは、わざわざ話題にしなくても分かるでしょう?」、
というようなとこがありまして、

「それよりも、“恋の時間”を優雅に楽しもうじゃないですか」

というのが作り手の態度だったと言えると思う。

お客さんのほうにも、それを楽しむ余裕があったというとこでしょう。

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ノーラ・エフロン(トム・ハンクスの「めぐり逢えたら」の監督、元ジャーナリスト)の書いたコラムとか読んでると、70年代以降(いや、もっとさかのぼると、「ペイトンプレイス物語」が「隠されたセックス」なんかをあからさまな話題にして大反響を巻き起こした50年代くらいから)、アメリカの若い世代に、因習に囲まれた「ストレス」があったというのが分かります。

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エフロンが「ママのミンクは、もういらない」という本(東京書籍)のエッセイで書いているエピソードがある。

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ときどき、口にするのも恥ずかしい「セクシーな夢」を見る、と。

それはですね、

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たくさんの男の手が伸びてきて、自分の服をはぎ取る、っていう夢なんだそうですよ。

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そうです。

これは、言うまでもなく、「恋人たちの予感」や「めぐり逢えたら」で、メグ・ライアンがためらいながら口にする話しです。

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二度も同じ話題を映画に織り込むとは、エフロンのこの「夢」に対するこだわりが分かりますが、ここに僕は、いかにも、ウーマン・リブの時代に「若かったひと」エフロンらしい葛藤を見る気がします。

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まだ、親の世代が持っていた「洗練」に、愛着と畏敬があんのね。

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夢の中でも、性に対して、ひいては「自分をオープンにすること」に対して、引け目があります、っていう、これは、エフロンの告白です。

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着てるもん、自分からかなぐり捨てて、ブラとパンツ一丁になっちゃうキャメロンは、エフロンより、さらに「新しい世代」なのだと言えるでしょう。

そのくらいしないと、現代女性の鬱憤は、はらせないのだ、ということなんでしょうか(うがってますか?)。

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裸のあたしを見てちょうだい。そのうえで、気に入ったら奪ってよ。

と、そう主張してでもいるかのような、キャメロンの作品選択に、「なにも、そこまでしなくても…」と、思うひともいることでしょう。

そんなに、がんばらないと、いけないのかな?

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どうなんでしょう。

僕はですね、ひとりの、それも外国人の男として、キャメロン・ディアスの「突貫女」ぶりは、すげーな、おいおい、やられちゃうなー…と

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ええ、そんな気分で見てるんですけど。

(なんか、爽やかなんだよね。なんなんでしょうね、泥臭さたっぷりのセックストークも、排泄の話題も、この人にかかるとね)

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Jack

(おっと…アシュトン・カッチャーについて、ぜんぜん触れませんでしたけど、とてもいいと思います)

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