次回をよろしく/「L change the WorLd」
「デトロイト・メタル・シティ」が公開されましたが、それについて近々取り上げるより先に、松山ケンイチさん主演の、この映画を。
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俳優・松山ケンイチの「魅力」って、なんでしょう。
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「憑依したように演じる」というのは、よく言われることですが、今回も、その魅力が、存分に味わえる。
その「松山ケンイチの良さ」について書きたいので、その前に、この映画全体を、ちょっと俯瞰(ふかん)してみましょう。
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「L change the WorLd」です。
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天才探偵L(松山ケンイチ)と死の使い夜神月(藤原竜也)の死闘からしばらく。
タイの小さな村バンナムで事件は起こる。
村中が正体不明のウィルスに感染したのです。
生き残ったのは、少年ひとり。
天才学者(石橋蓮司)が作りだした新種のウィルス。
撒いたのは、過激な環境保護団体ブルーシップ。
地球上に環境破壊と汚染をもたらす人類を「削減してしまえ」というのです。
このウィルスの調査をワシントンから依頼された、アジア感染症センターの二階堂教授(鶴見辰吾)。
彼と娘の真希(福田麻由子)は、やがて、とてつもない陰謀に巻き込まれてゆくことになる…
Lが事件に気付くのは、いつ?
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この映画、中盤以降が、長くてダレる。加えて中田秀夫監督の演出は、正直言って、「くどい」と思う。
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人が死んでいくところを(たいした特殊メイクでもないのに)、延々映したり、泣いてるところをしつこく撮ったりとかですね、「さぁ、怖いですよ、盛り上がってください」などという音楽の入れ方も、やや、しらけます。
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で、その、演出とも関連してくるんですが、この映画、「DEATH NOTE」同様、荒唐無稽な内容なのに、あれくらい物語に説得力があるか、と言うと、そうでもない。
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「マンガの持つ力」とは、なんなのかを考えさせるところですが、マンガじゃないオリジナル脚本のこの映画では、極左的理想に凝り固まった集団がバイオテロを起こす、っていう設定に、まず、リアリティがないし(充分納得のいく説明付けがなされていない)、面白い配役にした割りに、みんな演技過剰だと思う。
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説明付けが省かれたり、幼稚だったりするところを、俳優の過剰演技で補おうとでも言うんでしょうか。
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まさか、そんなわけではないでしょうが、「おーい、仮面ライダーじゃねぇんだぞぅ」と、ま、そんなケチも付けたくなるわけでして、
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思うに、地獄の死神が使うノートがある!っていう、まったくもって奇想天外なアイデアが外れた分、空想力がスケールダウンしている、と思えるわけで、そうなると、「世界的陰謀を企む集団に天才探偵が対決を挑む」っていう話が、なんだか、お子ちゃまっぽく見えてきちゃう。
別にアイデア自体は、アメリカ映画なんかに引けをとらないと思うんですが、いったい何が違うんでしょう。
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「テロリストが世界を混乱に陥れる」なんて「24」ばりに言われるよりも「死神のノートを使って天才児が地上の浄化を考える」っていう夢想のほうが、明らかに尋常でないリアリティを持ってるわけで、まことに奇妙ですが、それが、我が日本の現状です。
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誰がどう考えても「アメリカという世界」に親近感を持って成長してきた国のはずなのに、まるで「開鎖国」状態と呼びたいような、特殊な発展を遂げたのが、日本のマンガ文化だと思う。
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そういうマンガ文化を前にして、「亡国のイージス」だか「ミッドナイトイーグル」だか「L change the WorLd」だか知りませんが、ストーリーテリングの自由奔放さで、遠く及ばないと思うんです(そうそう、岡田准一さんの「SP」っていう例外がありますね。それに僕は、「相棒 劇場版」も、まだ見てません)。
それはともかく、
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はっきり言って退屈なこの映画の中で、ひとり、松山ケンイチという人が、妖しいリアルさを持っていると思います。
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この映画、それだけ、彼が演じる「L」って人の人物造形に引かれる形で、息を保っている、と、そう言える。
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だから、スピンオフが出来たんだと言われれば、それまでですが、役柄の「作り方」、役作りに必要な「理解の仕方」が、独特なんじゃないでしょか。
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僕も一応、マンガ世代のつもりですが、その目で見ても、演じる姿に「捉えどころがない」と言うか、共演の高嶋政伸さんや工藤夕貴さんに引き比べ、彼ひとりがオーバーアクションに見えない。
「マンガの読み方」からして、違うんじゃないかと思わせる。
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ただ、惜しむらくは、彼の不可思議な演技力を、凡庸な脚本とオーバーな演出とが、引き出しきれておりません。
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関係ないけど、中田英寿とか連想するんだよな。大げさでなく、我が国映画界の枠組みをちょっとはみ出してるところがですね、異端児・中田と似てますです。
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あはは。今回は、だいぶ悪口に費やしました。
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まぁ、結論として、松山ケンイチが出てる映画なら、注目ですね、と。
「デトロイト・メタル・シティ」を楽しみに、と。
そんなところで、終わりましょう。
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(物足らないですか)
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(いちばん物足りなかったのは、映画見た僕だっつの)
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Jack
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